Salle d’Aikosoleil

バレエ史についての備忘録 日々の食について

2016年公演オーディション開催!~Ballet TRADITION「継承と育成」♬

日本バレエの未来を拓くプロジェクト発進!

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 来る12月10日新宿村スタジオにて、2016年9月9日予定の「第二回Ballet Traditon公演」のオーディションとワークショップが開催されます。締め切りが、11月30日と間近です。

 オーディションの詳細はこちらへ↓

 

www.wellness-arts.com

 キエフ・バレエ団で現在ご活躍中の田北志のぶさんのレッスン付きのオーディションが受けられるという、このワークショップに参加するだけでも意義深いものだと思います。 

 私も実際に田北さんのレッスンとヴァリエーションクラスを受講したことがありますが、ボリショイ仕込のワガノワ・メソッドと田北さんのお人柄あふれるレッスンの流れは、シンプルで軽快。田北さんのバレエへの愛、母国への想いを感じることができる至福の時間となりました。

 ぜひ、若いダンサーの皆さんには、本物の体験をしていただきたい。今の時代は、私がバレエを学び始めた40年以上も前に比べ、非常に恵まれていて、さまざまなワークショップも多く、世界のバレエのメソッドを学ぶチャンスがあります。

 しかし、古典バレエの基礎となるものは、やはりロシアのワガノワ・メソッドソ連時代に確立されたものではありますが)と言っても良いと思います。

 今見ることのできる『白鳥の湖』、『眠れる森の美女』、『くるみ割り人形』、『ライモンダ』、『バヤデール』などの古典バレエのほとんどの作品は、19世紀のロシアで誕生し、20世紀のソ連で完成度を高め、保存されてきたのです。

 私の個人的な意見かもしれませんが、やはり、ロシアの古典作品を踊る上で、ワガノワ・メソッドを学ぶことは、特に多感な若い時期の身体と感性にとっては、貴重な経験となるでしょう。作品のスタイルを表現するための身体の使い方があるのです。

 単なる「舞台経験」で終わることなく、その後の皆さんのバレエ人生につながる時間を過ごすことのできる機会になると思いますので、ぜひ参加してみてください!

 

田北さんの熱意、そして賛同したダンサーたちによる温かな第一回Ballet Tradition公演 

 「第一回Ballet Tradition公演」は、去る9月18日にすでに開催されました。バレエ史研究の大家でロシアバレエに造詣の深い薄井憲二氏を芸術監督に迎え、現在ウクライナ国立キエフ・バレエ団で第一舞踊手を務める田北志のぶさんが、ご自分も主演されながらプロデュ―サーを務められました。

 演目は、20世紀のモダンバレエの幕開けを告げたミハイル・フォーキン振付の『ㇾ・シルフィード』、子どもから大人まで参加できる創作バレエ『マッチ売りの少女』、そして、ロシアバレエの古典の傑作の一つマリウス・プティパ振付の『ライモンダ』第三幕という充実したバランスの良い内容構成の公演でした。

 とにかく、舞台上も客席も温かい空気に包まれた公演というのが、私の率直な感想です。田北さんの想い、コンセプトに賛同した第一線で活躍中のダンサーたちが、心を一つにして公演を盛り上げ、それを温かく支える観客たちが作り上げた公演だと感じました。

 一緒に公演を見ていた方の「コールド・バレエって本当に大変なのね」という言葉が心に残っています。『ㇾ・シルフィード』のコールド・バレエ(群舞)の一人一人への指導が行き届いていることを象徴する言葉でしよう。

新規プロジェクト Spring of Arts

 この公演は、田北さんとロシア・バレエ・インスティテュートで共にロシア・バレエを学んだ土井由希子さん(ウェルネス・アーツ・スタジオ)と冨永典子さん(TNBallet STUDIO)が、バレエ芸術の継承と育成をテーマに掲げ、Spring of Arts として設立したプロジェクトの一環で、薄井憲二先生も非常に期待を寄せてくださっているとのこと。

 今後もさまざまな形で幅広い活動の展開が予定されるとのことで、日本バレエ界の未来への第一歩を感じさせます。

 伝統を受け継ぎつつ、新しい表現を切り拓く。いつの時代の芸術家たちもチャレンジしていたこと。今の日本にその新しい動きを起こそうとしている田北さんたちの活動を心から応援したいと思います。

 

 では、ロシアで最も歴史の古いバレエ団マリンスキーバレエ団によるバレエの詩

『ㇾ・シルフィード(原題ショピニアーナ)』をどうぞ♪

 

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