Salle d’Aikosoleil

バレエ史についての備忘録 日々の食について

モロッコのスープ「ハリラ」~ランスの思い出の味

断食明けのご馳走スープ「ハリラ」

 今朝、FBでマクロビの料理研究家の上原まり子さんが、スープについて投稿されていました。そのスープを見て、1992年から93年まで滞在したランスで出会ったハリラというスープのことを思い出しました。

 ハリラは、私のアパートの隣の部屋に住んでいたファドゥアというモロッコ人の女子大生とその友達のハビバにご馳走してもらったスープでした。

 隣人のファドゥアと仲良くなったきっかけは、アパートの玄関のインターフォンのところに名前のカードを入れるところがあるのですが、私が間違って自分の名前のカードを隣の部屋のところに入れてしまったのです。

 その隣の部屋の住人が、モロッコ人のファドゥアでした。私の部屋に、そのネームカードを持ってわざわざ訪ねてくれたのです。

 私にとってはランスではじめての友人となりました。そして、彼女とモロッコ人の仲間たちとの楽しい夕食の日々が始まったのです。

 私はサラダ担当で、ほぼ毎日のようにサラダを作ってファドゥアの部屋に行きました。良く一緒にクレープも焼いたり、ファドゥアのお母さんお手製のモロッコスウィーツなどもご馳走になりました。そのお菓子って、本当に美味しいんです。

 なんだかフランスに住んだのだか、モロッコに住んだのかわからないような滞在でしたが、宴の最後にはモロッコダンスを狭いアパートの部屋でみんなで踊って、賑やかに夜は更けてゆきました。

 私の記憶の中で、一番印象に残っている味が、彼女たちの作るハリラというスープでした。断食明け(日没)とともに最初に食べるもので、そのスープ食べたさに、一緒に断食をしてしまったほどです。ちょこっとずるをして、私はお水と軽いもの食べたりしちゃいましたけど('◇')ゞ

 なんとなく食べたくなって、レシピを調べて、こちらの記事で紹介されていたレシピでさっそく作ってみました!

 


モロッコ・マラケシュの宿Riad House13・ブログ

 

仕上がりはこんな感じです☆ 

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 食べてみたら、「あ~~この味!」という感じで、20年以上前に住んでいたランスのあの小さなアパートの部屋にタイムスリップした気分でした。

 アリッサという唐辛子のペーストを少し入れていただくとまた美味なのです。

 こんな風にお料理をしていると、ファドゥアもハビバも今頃はどうしているかしら?と思ったりします。

 帰国後、手紙のやり取りはあって、ハビバからファドゥアが結婚したことを知りました。私がランスにいるころに、会ったことのある男性だと聞きました。

 ファドゥアとは姉妹のように、一緒に勉強したり、本当にいろんな話をしました。

彼女は、まだ18歳くらいだったと思いますが、とても精神的には成熟した女性でした。あどけないところと、大人っぽいところが共存していて、とても美しい女の子でした。

 彼女たちが信仰しているイスラム教についても話を聞いていました。それほど厳格な信者ではなさそうでしたが、それでも彼女たちの生活と宗教は深く結びついていることを感じていました。

 

 ファドゥアが言っていた言葉を思い出しました。

「愛子、世界を変えるなんてできないのよ。そんなこと考えちゃだめなのよ」と。

 

 でも、彼女はレバノン人の男性と結婚したのです。

その覚悟は、「世界を変える」ほどのことだったではないでしょうか。

生きている間に、また彼女に会える日が来るでしょうか。

 そんな日が来ることを夢見て、また、ハリラを作ります☆