Salle d’Aikosoleil

バレエ史についての備忘録 日々の食について

日本ダンス医科学研究会 特別セミナーに参加☆彡

国際ダンス医科学研究会会長 ジャネット・カリン氏による特別講演

 今年の四月にパーソナルストレッチトレーナーの勉強を始め、第一段階の資格を取得して以来、学生時代の友人が口コミで広げてくださったことやバレエ教師の友人の生徒さんなど、おかげさまでたくさんの方の身体を施術させていただいています。

 

 指導トレーナーの「身体に正解はない。クライアントさんの身体が教え、導いてくれることに敏感に反応して、その個々の身体へのアプローチをすること」という教えを胸に日々過ごしています。

 職種によって、日常生活の姿勢や動き、そして、それに伴い心の動きも違うので、身体って本当に一人一人違うし、同じ人でも日によって違います。そんな「違い」に触れ、その人の「今日の身体と心」に敏感に反応して、時間を過ごせる充実感もあります。

 本当に周りの方に恵まれて、今回はアレクサンダーテクニック教師のM先生にお誘いいただき、バレエ指導者のY先生もご一緒に、日本ダンス医科学研究会の講演会を聴講できました。

 テーマは、事前に知らされていたのは、国際ダンス医科学研究会会長でオーストラリア・バレエ学校教師、元オーストラリア・バレエ団プリンシパルのジャネット・カリン氏による「ダンス教育と医科学」というものでした。

 当日発表されたテーマは、ミラーニューロンとそのミラーニューロンの働きによる

ミラーセラピーによるけがのケアについての具体的な内容でした。

 

 ミラーニューロンについては、こちらの本が先駆けのようです。

 

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 また、興味深い記事として、編集者として名高い松岡正剛氏のこちらのコラムをどうぞ!

http://1000ya.isis.ne.jp/1469.html

 

 とりとめなくて申し訳ない文章になっていますが、とにかく忘れたくないことを取り急ぎ、ここに記録しておこうと思って書いています。

  

 講師のジャネット・カリンさんは、ご自身が医者ではないけれども、ご自身のダンサーとしての経験とバレエ教師としての経験に基づいて、ダンサーを目指す子どもたちや現役ダンサーたちのケアに関わっていらしたようです。

 今やピラティスをはじめ、アレクサンダーテクニック、フェルデンクライス、ロルフィング、ジャイロキネシス、ヨガなど、バレエを学ぶ人、ダンサーたちにとって身体のケアの仕方はいろいろありますが、カリンさんは独自の研究のもとに、自らをkinetic educatorというあり方で表現されていました。

 

 講演の内容はもちろん興味深かったのですが、私のような駆け出しのトレーナーにとって、しかも医学の勉強をきちんとしたこともなく、経験上バレエやモダンダンス、バオソルやバロックダンスなど、身体の使い方はさまざま学んでいる経験値に基ずく施術を行っているものにとって、非常に頼もしい後ろ姿に感じました。

 もちろん、カリンさんはバレエダンサーとしてのキャリアが素晴らしいわけですから、レベルの差は十分理解しております(;'∀')

 ただ、今私が立っているところから将来の自分の像を眺めた時に、kinetic educatorという言葉が心の中に刻印されたのです。

 私が自分のあり方として、どのような言葉で表現するのが適切かということを今深く考えているところなので、このkinetic educatorというカリンさんの発想がとても興味深かったのです。

 

 現在、週に3,4人の施術をしています。バレエ教師、通訳、ピアニスト、フレンチシェフ、会社員、大人からバレエを習っている人など、それぞれライフスタイルが違います。必然的に、身体の使い方も癖も違うので、それぞれの身体が私の先生です。 

 それと同時に、心理的な状態にも気を配ります。その日の精神的なコンディションも

人それぞれ違います。

 そう考えてゆくと、単に「身体」と言っても、非常に「心」の状態が、コリやつまりに影響するということがわかります。

 

  たとえば、今施術させていただいている二人の方を例に気付いたことです。

  1)通訳を職業とされているIさんの場合

 長年病気を抱えていて、施術期間は長期展望。病気の治療と並行して、インナーマッスルや体幹を整えることで、身体のコンディショニングを希望されています。結果的に免疫力を上げることで、病気の治癒を目指しているという状態です。仕事が忙しいときとゆったりな時の差によって身体の変化はありますが、その精神的な緊張感が、施術者である私にはさほど影響はありません。

 

 2)バレエを大人から学んでいるKさん

 彼女の場合も、長期的にバレエが踊りやすい身体に向かいたいという展望と短期的に近々舞台があるので、舞台というテンションが身体にかかります。 

 私の感覚では、舞台に向かう身体へのテンションは意外に強くて、これは、私自身がそのテンションを経験していることもあり、施術者である私の身体にも響いてくるということに気づきました。

 その響きから何を導きだすかということを考えるのも面白いわけです(#^^#)

 

 もう一つ最近気づいたこと。「痛い」部分は、「痛み」がその部分を守ってくれているで、逆に痛くない部分で、その痛い部分をかばっているところへのアプローチを入念にすることが大事かな、というところに行きつきました。

 それも、クライアントさんの身体が教えてくださることなのですが、「痛い」部分の

痛みを取るという発想を切り替えて、「痛い」部分をかばっているところへのケアを心がける。

 そして、痛い部分は身体全体の一部なので、基本的に施術は毎回全身のメンテナンスで行います。部分的に施術しても、「痛み」や「不具合」がどこからやってきているかは、お医者様ではないので特定できないのです。

 ですから、全身をメンテナンスすることで部分的な痛みもケアするという方法が、今の私には合っているようです。そして、常に自分の知識や認識を客観的に確認する必要があります。

 そんな状況にある私にとって、ジャネット・カリンさんの考え方、身体へのアプローチの仕方は非常に共感できるもので、たくさんの学びを頂きました。

 そして、彼女が最後の方で、「いろんな専門分野の人たちが、貴重な情報をシェアすることが大切」と仰ったと思うのですが、いつも心にとめている「補い合う」という人との関係性に関してもOKを頂いたような気持ちになりました。

 ジャネット・カリンさんのプロフィール詳細はこちらです↓

http://www.australianballetschool.com.au/content/aboutus/staff/karin.html

 

  また、講演内容について書きたくなるかもしれません(#^^#)

 一言だけ書くと

 <ミラーニューロンは、動作だけではなくて、表情や感情も鏡のように映す!

 視覚が触覚を喚起する!>

 

 そして、アレクサンダーテクニック教師のM先生の細やかなお知らせとして、

 「視覚がない方々がどのように見て、感じているかを聞いた『目の見えない人は世界をどう見ているのか』伊藤亜紗著、光文社新書も合わせて考察すると、とても興味深くお薦めです!」とのことです☆

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